サンウッド無垢ドアの形状・構造
ドア形状・構造の目次
基本構造・名前
ドアの外周を形作っている枠を框(カマチ)、内側を鏡板(パネル)と呼んでいます。 当社ではカマチもパネルも無垢板の横接ぎ材(ソリッドラミネーションと言います) を使用するのが基本です。 横接ぎに使用されている接着剤は水性ビニールウレタンです。 ただし、横接ぎをしていない無垢一枚板の製作も承っています。 ご希望の方はこちらをクリック。
カマチの接合
カマチの接合は雄・雌形状とダボ(小丸棒)、接着剤の併用で、 十分な強度が保たれています。接着剤は酢酸ビニール(水性ボンド)ですが、 別料金でニカワなどの自然系接着剤の使用も可能ですので、ご希望の方はお申し出ください。
基本形 2パネルタイプ
サンウッドの建具(ドア、引戸、クローゼット)は、無垢の縦ガマチ(枠)2本と横ガマチ3本を組んだ枠に2枚の無垢パネルが入った2パネルタイプが基本です(1図)。 カマチは選別した無垢柾目材を使用しており、30から40mm程度の板材3~4枚をラミネート(=横接ぎ)したものですが、柾目ですので、横接ぎしていることは余りはっきり分かりません(右下写真)。 パネル(鏡板)部分も無垢横接ぎ材です。板目と柾目の選別はしていませんが、違和感の出ないように木目の模様を選別しています。長さのジョイント(=フィンガージョイント)がないので、すっきりしています。 写真のように、端が細い立体パネル(レイズドパネル)を採用しています。 無垢ですので伸縮、反り、ねじれなどの欠点が出る事もありますが、 このドアの作り方のの利点は、無垢木材固有の動き(収縮・伸張)を吸収し最小限に押さえられる事です。 平均的な無垢木材は、5%の含水率変化で1~1.5%厚さ幅が伸縮します (長さはほとんど動きません)。 そうすると、700mmのものは7~10.5mm動く事になります。 ドアの幅が7mmも動くと、大問題です。
それを、ドアの作りをカマチとパネル部分に分ける事で、動きをカマチ部分の動きだけに限定しています。
縦ガマチの幅は120mmで、両側で240mmですから1%動いても2~3mmの変化で済みます。
パネル部分の動きは構造上カマチの溝で吸収されるようになっています(これがこのドアのポイントです)。
2~3mmの動きであれば調整可能ですから安心です。
一年を過ぎると更に落ち着いて安定します。
無垢木材自然塗装ならではの利点も見逃せません。ペットが爪で傷つけてしまったとしても、サンダーをかけて塗り直せば簡単に補修できます。MDFや合板に突き板や塩ビシートを貼ったドアではそうはいきません。無垢自然塗装ですからペットにも優しいドアです。
ホワイトアッシュは重硬な木でやや大きく伸縮するので、 4枚パネル構造を採用していましたが、人乾方法、養生期間、カマチ溝深さ改良などで、 伸縮の問題が解決されましたので、現在はやはり2枚パネル構造を採用しています。
1パネルタイプ
一方、ニヤトードアは一枚パネル構造です。 南洋材のニヤトーは原木の径が大きいため動きが小さく、 ねじれなどの発生がほとんどありません。 また、フラットな合板突き板パネルを採用しており パネルの動きもほとんどありませんので、 ニヤトードアは一枚パネル構造でも問題が起きません。 また、高さが1800mmより低いドアは、一枚パネルでも余り問題はありません。 見た目もすっきりしています。
動きの少ないキリドアにも一枚パネルデザインのものがございます。 キリのパネルは合板ではなく無垢横接ぎ材です。
※ ニヤトードアは2010年末で廃盤になりました。
ポプラ・ホワイトアッシュ・杉・ヒノキでも高さの低いドアは 1パネル構造を採用しています。 好みにもよりますが、1700mm以下でしたら、1パネルの方が見た目もすっきりしています。
フリーサイズタイプ(フラットタイプ)ドアの構造
フリーサイズタイプドアは標準タイプドアと違い、横カマチは使っていません。 縦ガマチ2本の間に200mm幅の板を並べたパネルが挟まれている構造になっています。 パネルを構成する個々の板は、ポプラフリーサイズドアの場合はファルカタ(南洋桐)の集成板に突き板を貼ったもので、 杉、ヒノキなどのドアの場合は無垢材をラミネート(=横接ぎ)したものです。
この構造は、木材が繊維方向(縦方向)にはほとんど伸縮しない事を利用しています。 無垢材を横に並べているので、パネルの幅はほとんど伸縮しません。 カマチは120ミリ(クローゼットの場合は60ミリ)が2本ですから、 ドア幅全体は2~3ミリ程度の動きに収まります。 ドアの縦方向は、パネルを構成する板に実(サネ)加工がなされていて、動きを逃がすようになっています。
横接ぎのない無垢材ドアをお望みの方
無垢板横張りタイプドア
図のようなデザインであれば、完全な無垢材ドアを作ることができます。 ただし、材料を厳選しますので、時間と費用がかかります。 また、厳しく選んだ材でも、反り曲がりの発生する可能性があり、 その場合の取り替えには別途費用が発生しますので、あらかじめご了承ください。