造作材用語集
目次
洋室造作材
ドア枠
ドア開口部の枠の事をドア枠と言います。 ドアそのものの枠(框=かまちと言います)の事ではありません。 英語では Door Jamb(ドアジャム)。 図でも分かるように縦枠、上枠、下枠があります。 バリヤーフリーのため下枠を使わない事例も増えています。
沓擦り(くつずり)
下枠の事を沓擦りとも言います。英語では Door Sill。 しばらく前までは、ドアが隙間なく閉まるように、図のような形をした物が普通でしたが、 最近はバリヤーフリーのため薄く平らになり、床の高さとあまり変わらない物が増えています。
戸当り(とあたり)
ドア枠につけられるドアが当る部分。 海外では、ドア枠と一体になっている物もあります。 英語は Door Stop。 ドアが当る金具の事も戸当りと言うので混乱しません様に(こちらも英語は Door Stop)。
ケーシング
もともと英語の Case(ケース = 包装、被う)から来た言葉で、ドア枠と壁の境目を被い隠すもの。 図は上(天井)から見たドア枠の断面図です。海外では、図(右側)のように壁と枠を面一にし裏の平らなケーシングを貼りつける方法が一般的です。 日本では、普通L字型のケーシングを使い、壁厚の違いを調整できるようになっています(図参照)。 英語はCasing。
ケーシング枠と固定枠
この呼び方が正しいかどうかは、はっきりしませんが、一般的に通じているるようです。 ケーシングを使うドア枠をケーシング枠、 ケーシングを使わない、平らな板で出来ている枠が固定枠です。 ケーシング枠が様々な壁厚に対応可能なのに対し、 固定枠は壁厚に合わせて製作しますので、壁厚が変わると使えないために「固定的」というわけです。
巾木(はばぎ)
巾木(幅木)は、壁面が床と接する部分に取りつける、厚さ5~15mm、幅50~100mmほどの薄い部材のことです。壁と床の仕上げ部分のおさまりを美しく仕上げる(というか、ごまかす)ために設置されます。 英語は Skirting (女性のスカートと同じスペルです、やはり「被う」と言う意味。英語の方がわかりやすいですね)または Base board。
廻り縁(まわりぶち)
廻り縁は、壁が天井に接する部分に取りつける、棒状化粧部材でです。 壁と天井の境目をきれいに仕上げるために設置します。 英語は、Crown Moulding (Molding)と言うようです。
開口(かいこう)
開口は、窓やドアの開いた部分のこと。 窓やドアの、窓・ドアそのものを取り払った部分と考えると良いでしょう。
笠木(かさぎ)
階段手すりの上部。 体を支えるための手すりではなく、洋式のオープンスタイル階段に取りつけられている、意匠性の濃い手すりの上部です。 映画で子供が滑り降りたりしていますね。 英語は Head Board または Cap。Capはひょっとすると手すり角部分の柱の頭の事かもしれません。
モールディング
モールディングは、細長い棒または板状の装飾用造作材のこと。 くり抜いた形の物はことごとくモールディングと言います。 巾木、廻り縁、ドア枠、ケーシングなどすべてモールディングのひとつです。
和室造作材
敷居(しきい)
敷居は、障子や襖、引戸などの建具の開口下部に設置する、溝やレールのついた水平材のことです。 最近は和室開口部でも溝の代わりにレールをつけた物が増え、建具の金具の進歩で開け閉めが楽になりました。 かつては、玄関も引戸の事が多く、敷居が使われていましたから、「敷居が高い」「敷居をまたぐ」などの言い回しが生まれました。
鴨居(かもい)
鴨居は、和室の障子や襖、引戸などの建具の開口上部に取りつける、溝を彫った水平材のことです。 敷居と対になって設置されます。 建具が入りやすいように、鴨居の溝は深く、敷居の溝は浅くなっています。 敷居の溝が浅いのはつまずかないようにという配慮もありますが。
縦枠(たてわく)
在来工法の和室には必要ありませんが、ツーバイフォーとかマンション内の和室には 柱の代わりに縦枠がつきます。
方立(ほうだて)
方立は、柱のない壁などに建具を取りつけるために立てる縦長の材で、 柱寄(はしらよせ)、方立柱ともいいます。 例えば、片引戸の開口部、柱の反対側には方立を設置します。 » 参照図面:片引戸納り図
畳寄(たたみよせ)
和室(畳)の壁と床(畳下)の角に取りつける角材のことです。 巾木と違い、畳とほぼ同じ高さになります。
廻り縁(まわりぶち)
洋室の説明に準じます。 こちらを見てください » 廻り縁(洋室)
腰壁(こしかべ)
腰壁とは、壁の下方部分に張りめぐらせた板材の壁部分のことです。 腰の高さ、90cm程度まで張られるので、腰壁と呼びます。 本来は装飾として使われますが、最近はペットが壁を傷めないように 取りつける人もめずらしくありません。
長押(なげし)
長押は、柱と柱をつなぐ水平材のことで、鴨居の上に取りつけられています (というより、長押の下に鴨居がついていると言った方が正確です)。 これは、内法(うちのり)長押と言い、現在は化粧材として使われています。 徳川時代には、「禄高が1000石以上の旗本の住居にのみ、長押の使用を認 め」、身分の低い者の家にはつけてはならないとしていました。
框(かまち)
床の間など、高くなった床端に取りつける水平材を框(かまち)と言います。 玄関の床と上がり口の境につけるのはあがり框です。 また、窓や扉、障子などの枠(開口部の枠ではなくて扉そのものの枠)も框と呼びます。
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