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サンウッド シックハウスニュース


健診結果、保護者に開示請求要求

調布市 (2004.2.6 読売)

東京都調布市の小学校でシックハウス症候群と見られる症状が児童に出た問題で、 健康診断結果の通知を希望する保護者に対し、同市教委が個人情報の開示請求をする よう求めていたことが5日、分かった。保護者からは「我が子の健康診断の結果を知 るのに、こんな手続きが必要とは」と疑問の声が上がっている。
シックハウス症候群は、住宅建材などから放散される化学物質を吸い込むことで頭 痛や吐き気などが起きる症状。調布市立調和小学校では、一昨年夏に完成した新校舎 から、国の指針値を大幅に超える有害物質のトルエンなどが検出され、多数の児童が 体調不良を訴えた。
これを受け同市教委は、大阪のNPO「シックハウスを考える会」の医師と学校医 に委託し、同年10月と昨年3月、同10月の3回にわたり、同校の全児童に問診な どの健康診断を行った。
1回目の健診後、市教委は「全校児童の約2割が、シックハウス環境の影響を強く 受けたと見られる」との結果を公表。その一方、「親に通知が必要という医師の指示 がなかった」として、1、2回目の健診については、個別の健診結果を保護者に通知 しなかった。
これに対し、体調不良を訴えた計9人の児童の保護者が「病院受診のため、健診の 結果を知りたい」と要望。しかし、市教委では「健康診断の結果は個人情報にあたる」 として、開示請求の手続きを要求した。
このため、保護者らは昨年8月から9月にかけ、市の個人情報保護条例にもとづき 「自己情報」の開示請求を行い、2週間後、医師が記入した我が子の「個別検診表」 と「所見」のコピーを交付された。請求の際、親子関係を証明するために住民票の提 出も求められたという。
保護者の不満を受け、市教委は昨年10月の健診後、一部児童の親に「シックハウ ス症候群との関連はないと思われるが、(医療機関での)早めの受診を勧める」との 文書を出した。だが、健診結果そのものについては、「開示請求が必要」との立場を 崩していない。
開示請求した保護者(43)は、「子どもの健康を心配するのは親として当たり前 なのに、こんな手続きが必要とはおかしい」と話す。
一昨年にシックハウス症候群と見られる症状が児童に出た長野県塩尻市の市立塩尻 西小の場合、全員の保護者に健診結果を文書で通知したという。昨春、校舎から高濃 度のトルエンが検出された東京都立世田谷泉高校でも、健診結果を生徒本人に詳しく 説明したといい、都教委では「一般的に、健康診断の結果は本人に情報を示すことで、 健康への意識を改善する意味があるのでは」と話していた。

VOC排出量3割削減へ

環境省 (2004.2.3 毎日)

塗料や溶剤などに含まれるトルエンなど揮発性有機化合物(VOC)について、中央 環境審議会は3日、施設からの排出量を10年度までに3割削減する目標を決めた。目 標達成のため、一定規模以上の事業者に排出削減を義務付け、中小事業者には自主的な 削減を促すことを環境省に求めた。環境省はこれを受け、自動車メーカーの塗装工場な ど大規模施設を規制対象とする大気汚染防止法の改正案を今国会に提出する。中小事業 者には、削減実績の公表を求めることを決めた。
大気中に放出されたVOCは、発がん性が指摘される浮遊粒子状物質(SPM)や光 化学スモッグの原因物質となる。同省によると、00年度に国内の施設から150万ト ンが排出された。工場や屋外作業場からの排出が大部分を占める。
審議会の検討会は昨年12月、法規制を中心とした排出削減策をまとめた。しかし、 その後の審議会の議論の過程で、一律の規制は必要以上の削減を強いることになるなど の意見が出された。このため審議会は、法規制の対象は大規模施設に限り、中小施設は 自主規制にとどめることを提言した。ただし、削減が進まない場合は、規制対象の拡大 も可能としている。
規制の対象施設や基準は、大気汚染防止法の改正後に政省令で定める。同省によると 、VOCの排出施設は国内に数十万あるとされるが、規制対象は数千施設になる見通し だ。
政府は、自動車NOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)法で、10年度までにS PMの環境基準をおおむね達成するとしている。現在の自動車排ガス規制だけだと達成 率は88%にとどまるが、今回の目標が実行されれば、達成率は90%を超えるという。

マンションでシックハウス集団提訴

大阪 (2004.1.29 朝日)

新築の分譲マンションに入居したのに、床下の建材に含まれる化学物質で「シックハ ウス症候群」になったとして、大阪市北区の「ライオンズマンション」(95戸)に住 む20世帯46人が29日、販売元でマンション分譲大手の大京(東京)と施工業者 「大末建設」(大阪)、建材メーカー「ブリヂストン」(東京)の3社を相手に、 リフォーム費用や慰謝料など総額約3億600万円の損害賠償を求める訴えを 大阪地裁に起こした。
訴えによると、原告らは00年11月~02年1月に入居したが、間もなく頭痛やめ まい、目の痛みなどに悩まされ、多くの人が専門医のいる北里研究所病院(東京)で「 シックハウス症候群」の症状と診断された。空気測定で、原因物質となるホルムアルデ ヒドが平均で国の指針値(1立方メートルあたり0.1ミリグラム)の約2倍の高濃度 で検出され、床下の建材から放出されていることがわかったという。
マンションは99年夏に着工されたが、国の指針はその約2年前に示されていて、原 告らは「化学物質の少ない建材を選ぶことができたのに、欠陥住宅を引き渡した過失が ある」と主張。症状の改善には床の張り替えなどが必要だとして補修費用や健康被害に 対する慰謝料などを求めている。
原告らは話し合いによる解決を求めて調停を申し立てていたが、今月、不成立に終わ った。
<大京広報部の話> 訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい。原因も特定で きておらず、当社に法的責任はないと考えており、今後も引き続き、主張の正当性を訴 えていきたい。

シックハウス「けやき小学校」安全確認

西東京市 (2003.12.25 NHK)

国の基準を超えるトルエンが検出されたため新築されたばかりの校舎の使用を見合わせて いた東京・西東京市の小学校について、市の教育委員会は、トルエンの濃度が基準を下回 り、安全が確認されたとして来月から新しい校舎での授業を始めることを決めた。
こ の問題は、西東京市芝久保町に建てられた市立「けやき小学校」の新しい校舎で、ことし 7月に行われた検査の結果、国の基準を上回る高い濃度のトルエンが検出されたもの。
けやき小学校では2学期から使用する予定だったこの校舎の使用を見合わせ、古い校舎で 授業を続ける一方、教室の換気などの対策を進めてきた。
その結果、新しい校舎のすべての教室でトルエンなどの化学物質の濃度が国の基準を下回 っていることがわかった。
このため西東京市教育委員会では、安全が確認されたとして、3学期の始まる来月8日か ら、けやき小学校の全校児童が新しい校舎に移動して授業を始める方針を決め、保護者に 説明した。
市教育委員会では児童への影響が出ないよう、今後も教室の換気は続けることにしている。