サンウッド シックハウスニュース
シックハウス「けやき小学校」安全確認
西東京市 (2003.12.25 NHK)
国の基準を超えるトルエンが検出されたため新築されたばかりの校舎の使用を見合わせて
いた東京・西東京市の小学校について、市の教育委員会は、トルエンの濃度が基準を下回
り、安全が確認されたとして来月から新しい校舎での授業を始めることを決めた。
こ
の問題は、西東京市芝久保町に建てられた市立「けやき小学校」の新しい校舎で、ことし
7月に行われた検査の結果、国の基準を上回る高い濃度のトルエンが検出されたもの。
けやき小学校では2学期から使用する予定だったこの校舎の使用を見合わせ、古い校舎で
授業を続ける一方、教室の換気などの対策を進めてきた。
その結果、新しい校舎のすべての教室でトルエンなどの化学物質の濃度が国の基準を下回
っていることがわかった。
このため西東京市教育委員会では、安全が確認されたとして、3学期の始まる来月8日か
ら、けやき小学校の全校児童が新しい校舎に移動して授業を始める方針を決め、保護者に
説明した。
市教育委員会では児童への影響が出ないよう、今後も教室の換気は続けることにしている。
特別教室はホルムアルデヒドの濃度高
東京23区小中校 (2003.12.24 NHK)
東京23区内の小・中学校でシックハウスの原因となる化学物質の濃度を測定した結果、
音楽室やパソコン教室といった特別教室で、ホルムアルデヒドの濃度が高い傾向にあるこ
とがわかった。
文部科学省は、校舎を新築したり改築したりした時だけでなく、現在使われている校舎に
ついても今年度からシックハウスの原因物質を測定するよう指導している。
NHKが
東京23区の測定結果をまとめたところ、教室や体育館など測定した3200か所のうち
13%にあたる440か所でホルムアルデヒドの濃度が国の基準値を上回った。
このうち、▽普通教室でホルムアルデヒドの濃度が基準値を上回ったのは調査した教室の
うち9%だったの対し▽音楽室は30%▽パソコン教室は23%で、特別教室でホルムア
ルデヒドの濃度が高い傾向にあることがわかった。
ホルムアルデヒドは大量に吸い込むと発ガン性の恐れがあるが、今年7月に使用を制限さ
れるまで接着剤の原料として建築に広く使われてきた。
これまでのところホルムアルデヒドによる健康被害は出ていないが、シックハウスに詳し
い千葉工業大学の小峯裕己教授は、「特別教室は利用しない時間が多いうえ、騒音対策な
どで原則、窓を閉めて使うことになっているため普通教室よりもホルムアルデヒドの濃度
が高くなったと見られる。換気を徹底して濃度を下げることが重要だ」と話してる。
住宅7.1%でホルムアルデヒド検出
国交省 (2003.12.19 朝日)
国土交通省は19日、シックハウス症候群の原因と見られる住宅内の化学物質濃度の
実態調査を発表した。
接着剤や合板から出るホルムアルデヒドは7.1%の住宅で厚生労働省が定める指針
値(0.08ppm)を超える濃度を検出。アセトアルデヒドは9.2%から指針値(
0.03ppm)を超える濃度が検出された。油性ペンキなどから出るトルエンが4.
8%の住宅で指針値(0.07ppm)を超えた。
昨年夏、調査に協力した築1年以内の住宅1390戸で調べた。
改正建築基準法により、今年7月からホルムアルデヒドを使った建材は規制されてい
る。調査は規制前のため、国交省は今後、指針値を超える住宅は大幅に減ると見ている
冬のシックハウスにご用心
大阪府堺 (2003.12.16 共同)
寒いこれからが危険な季節―。シックハウス問題に取り組む医師
が、本格的な冬の到来に「閉めきった室内で暖房を使うと、ホルム
アルデヒドやトルエンなど有害物質が揮発してこもりやすくなる」
と家庭や学校に注意を促している。
大阪府堺市の今年8月の調査では、約6割の学校・幼稚園でシッ
クハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドが国の基準値を上
回った。最高値だった教室は、窓を開けた検査では基準の半分以下
だったが、閉め切ると基準の5・8倍に。
「閉め切った部屋がいかに危険かを示している。冬の暖房は同じ
ように室内の濃度を高める危険がある」と、大阪府保険医協会の笹
川征雄医師は指摘する。
新築やリフォームから10年以内の建物は特に要注意。敏感な子供
やお年寄りだけでなく、家にいる時間が長い主婦の発症も多い。目
がしみたり充血したらシックハウスを疑ったほうがいいという。発
症すると頭痛やめまい、体調不良などに陥る。
特定非営利活動法人(NPO法人)「シックハウスを考える会」
の上原裕之理事長も「風を入れたり換気扇を回したり、閉め切らな
いことが大事。2時間に1回、5分程度は空気を入れ替えて」と呼
び掛けている。